「自分より弱い奴」を演じて安心させると人間関係はうまくいく

ひと昔前、どの小学校にも二宮金次郎の像が建てられていました。

「自分より弱い奴」を演じて安心させると人間関係はうまくいく
現在は老朽化に伴い相次いで撤去されているようですが、彼の勤勉さ、処世術は現代人にとって学べることばかりです。二宮金次郎は、社会を上手に生きる知恵として、次のような言葉を残しています。

相手が才能のない人なら、あなたの才能を隠しなさい。相手が無芸ならば、あなたの芸を隠しなさい。それが交際のコツです。そうしないと人間関係はうまくいきません。

才能がない人にあなたの才能を見せ付けると相手は気持ちよくありません。「すごい」と尊敬してくれるかもしれませんが、嫉妬心を生むことにもなります。その嫉妬心から「足を引っ張ってやろう」「ケチをつけてやろう」と悪意をもたれる可能性もあるのです。

海外に行った事のない人間に「外国はいいぞ。人生観変わるぞ」と得意げに話すと、聞かされた側は不愉快になります。「くそー」と思われて、嫉妬の炎を燃えたぎらすでしょう。これは人間として自然の心理なのです。

私たちは「自分より弱い奴」を見ると無意識に安心できます。自分より下の人間なら変に気を使ったりする必要もないし、妙な満足感さえ感じるのです。「人を見下したい」という思いは誰にでも備わっている本能なのでしょう。

あなたが抱いている「人を見下したい」という気持ちは、あなたの周りの人すべてが持っています。どんなに聖人ぶっている人間でも自分より下の人間を見たら優越感を感じるのです。だから、自分が我慢をして「弱い奴」を演じれば相手を気持ちよくさせることができます。

進んで格下に見られて、思い通りに相手を満足させるのです。そうすれば可愛がってもらえるし、人間関係を円滑にさせることができる、戦略として使わない手はないと二宮金次郎は言っているのでしょう。

ふんぞり返って舐められないようにする作戦もありますが、駄目な人間を演じて舐められるのも作戦なのです。舐められる方法は簡単です。知ってることを知らないと言って、できることもできないと言えば、相手は面白いように舐めてくれます。

「どうしようもないけど可愛い奴だ」と思われてください。素直な若輩者を演出すれば、誰もが味方になってくれます。